2023.08.22 | International
大動脈弁狭窄症のカテーテル治療である、経カテーテル的大動脈弁植込術(TAVI)が保険適用になってからもうすぐ10年になります。当院もこの中部地区でいち早く導入し、8年以上が経過しています。今年7月に累積300例を突破しました。かなり確立された治療となり、現在は80歳以上はTAVI優先、75歳以上も(外科的弁置換術とともに)TAVI検討すべき、となってきました。低侵襲であるため、手術当日の晩御飯も自分で摂ることができ、翌日には歩いて一般病棟に移り、点滴類もすべて外れます。全身麻酔で寝ている間におよそ30分で手技が終わります。そのため、高齢の方でも手術を受けることができます(最高齢101歳)。また、当院はTAVI専門施設の認定も取り、以前は適応外であった透析患者さんに対してもTAVIが施行できる数少ない施設となりました。個々の症例で状況が変わるので、まずはTAVIのメリットと合併症のリスクを聞きに来てください。大事なのは昔の概念にとらわれて判断せず、TAVI専門施設で話を聞くことです。医療はものすごいスピードで進化しており、10年前にはできなかった事がいとも簡単に出来たりします。TAVI治療は、チーム医療です。実際の手技も、循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、各コメディカルがそれぞれの担当をこなします。さらに周術期は、全職種のスタッフが元気に患者さんが退院できるようにサポートします。地域の開業医の先生や、他病院の循環器内科の先生たちも同じハートチームと考え、連携して多くの患者さんを救いたいと考えています。日本で初めてTAVIを行い今でも日本のTAVIを牽引している大阪大学に数年通い続けたころを懐かしく思います。とても忙しい毎日でしたが、今こうやってチーム皆で安定した治療が行えている事に繋がっており、非常に満足しています。今後も当院の特徴である、経験豊富な外科治療と、カテーテル治療のコラボレーションで、弁膜症などの構造的心疾患、大動脈疾患、すべての心血管疾患に対し最善を尽くします。
循環器内科 部長 田中 昭光
▲TAVI300症例達成で記念撮影するスタッフたち |
2023.08.07 | International
2023.08.07 | International