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2024.02.29 | Topics Operation 

徳洲会グループ 「徳洲ジェット」自主運航開始 都市部から離島・へき地へ一気に医療者輸送

 徳洲会グループは2月1日、小型ジェット機「徳洲ジェット」の自主運航を開始した。同機は大阪府の八尾空港を拠点に、主に離島・へき地への医療者などの移動手段として活用する。同日、安全運航を祈願して修祓式を行った後、参列した東上震一理事長らを乗せて羽田空港までテストフライトを実施。今後は離島・へき地へのさらなる支援のほか、同機の有効な活用法を考えていく。

▲徳洲ジェットを前に(右から)大橋・副理事長、東上理事長、八木沼本部長 ▲八尾空港から羽田空港へテストフライトを実施

 

安全運航を祈願し修祓式

 徳洲会は“生命だけは平等だ”の理念の下、離島・へき地医療に精力的に取り組んでいる。グループのスケールメリットを生かし、全国の徳洲会病院から医師など医療スタッフが応援に訪れる仕組みを構築。ただし、ひとりが長期間にわたってとどまることは難しく、短期間のリレー形式でつなぐケースが多い。

 これには飛行機による頻繁な移動が必要となるが、民間の定期旅客便のみに頼ると効率的な移動はできない。そのため1987年4月には軽飛行機「徳洲号」の運用をスタート、沖縄県の那覇空港を拠点に離島間を結んでいる。

 今回、徳洲会が「徳洲ジェット」を導入したのは、離島・へき地へのさらなる支援のためには都市部と離島・へき地を効率的に結ぶ移動手段が必要と考えたからだ。2022年5月から試験運用を行い、今年2月に自主運航を開始することを決めた。乗員2人の場合、乗客は4人(追加2座席オプションあり)まで搭乗可能で、最大巡航速度は時速782km、航続距離は2,661km。

 たとえば、医師が大阪から鹿児島県徳之島に移動して手術を行う場合、通常の定期便では鹿児島空港を経由するため、手術日前日に移動する必要がある。一方、徳洲ジェットであれば約2時間で一足飛びに移動でき、時間のロスがない。午前中に出発し、手術を終えてから夕方に戻れば、日帰りも可能。チームでの移動もできる。

 2月1日に八尾空港で安全運航を祈願して修祓式を行った後、東上理事長、大橋壯樹・副理事長、八木沼正子・看護部門本部長らが搭乗し、羽田空港までテストフライトを行った。

 東上理事長は機内で「小型ジェット機を活用した医療提供の試みは、日本では徳洲会独自のものです。医療者の移動だけでなく、緊急時の患者搬送も視野に入れて、使用法を練っていきます」と展望。「本日は記念すべき最初のフライトで、今後の展開にわくわくしています。活用法は無限大です。予想を超えた広がりに期待しています」と語気を強めた。

 大橋・副理事長も「離島・へき地医療のさらなる支援のために、積極的に役立てていきたい」と強調。八木沼本部長は「離島・へき地の医療を支援したいという看護師は多くいます。困っている患者さんのもとに向かうのに、こうした移動手段があるのは心強いです」と期待を寄せた。

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