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2023.02.08 | Topics Operation 

経皮的カテーテル卵円孔開存閉鎖術を開始しました

 当院で、厚生省の認可施設として、卵円孔開存症(PFO)の治療を開始いたしました。

 卵円孔開存(PFO)は、心臓の左右の心房の間にある心房中隔に隙間が開いている状態です。胎児期の遺残であり、成人の約20%にあると言われています。通常は、生後数日の間に閉じることが多く、開存したままの状態でも無症状の方は治療の必要もありませんが、まれに卵円孔開存(PFO)があるため、右心房から左心房に血液が直接流れ込み、血栓が卵円孔を通過し、脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因になると考えられています。

 脚の静脈に血栓ができたときにも考えられるように、その血栓が時折、血流にのって心臓の最初の部屋である右心房に達し、PFOを介して左心房に入ってしまうことがあります。この血栓が左心室へ、そして心臓を出て大動脈へと流れ出て、脳に到達したときに脳梗塞を引き起こすことがあります。このような脳梗塞を奇異性脳塞栓症といいます。

 本治療は、手術で開胸するのではなく、体表から皮膚を通してカテーテルを挿入し、血管の中から治療します。脳梗塞の予防ができるほか、血を固まりにくくする抗凝固剤(または抗血小板剤)を治療後の経過次第で中止できることが期待できます。経カテーテル閉鎖術では、特殊な金属の閉鎖栓を使用し、心臓の欠損孔部分に合わせるように入れて、穴をふさぎます。

 認可施設として、さらなる技術の向上に努めます。

   
▲卵円孔開存閉鎖術の様子

  

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