2019.01.08 | Topics
昨年の名古屋徳洲会総合病院における手術総数は920例と過去最高となりました。特に大動脈瘤緊急手術、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)、経皮的ステントグラフト手術そして末梢血管手術が増加しました。21年目となった名古屋徳洲会心臓血管外科グループは、春より東海地区の大垣徳洲会病院で8病院目として心臓血管外科を再開させていただきます。東海地区での心臓血管外科診療特に救急疾患についてますます充実させていただきます。
冠動脈バイパス手術は107例でした。左前下行枝病変に対してはダビンチによる左肋間小開胸バイパス手術(Robotic MIDCAB)を5例行いました。ダビンチロボットもXiタイプと最新のバージョンを導入し、安全正確に小切開低侵襲心臓手術(MICS)手術が可能となりました。また内視鏡下大伏在静脈採取を10年ぶりに再開しました。20cm程度の大伏在静脈も1cm程度の膝の傷口だけで採取することができます。症例を選んで小切開での大伏在静脈採取を進めていきます。
右肋間小開胸による内視鏡下MICS弁膜症手術も昨年14例行いました。ダビンチ僧帽弁手術も行ってまいります。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は昨年28例行い安定した成績でますます増加傾向にあります。
胸部大動脈瘤手術は昨年胸部118例、腹部98例と増加しました。そのうちステントグラフト治療が77例でした。A型急性大動脈解離に対する緊急手術は72例行いました。
カテーテルによる左心補助ポンプであるインペラ(Impella)を29例(内PCPSと併用するECPELLAは14例)に行いました。うち19例が重症の急性心筋梗塞を含む冠動脈疾患でした。75%の症例に血圧、心拍出量、尿量の増加を有意に認めました。54%が離脱可能となり30日生存率はインペラ単独で88%、ECPELLAで33%でした。救命不可能な重症心原性ショック症例に対して極めて有効な治療法となりました。
当院ではTAVI、ステントグラフト、インペラ等のカテーテルを使用する治療は内科を主としたハートチームで行っており、内科外科ともに発展していきたいと思います。ダビンチロボットもXiタイプと最新のバージョンダヴィンチロボットによる内胸動脈グラフト採取を20例行い、その中で、左前下行枝病変に対してはより安全正確に小切開低侵襲心臓手術(MICS)手術が可能となりました。
手術をさせていただいたにもかかわらず命を救えなかった患者さん、合併症で後遺症を残された患者さんも少なからずおられます。患者さんご家族様はもとより紹介していただいた医療関係者の皆様に大変申し訳なく思います。多く経験と反省をさせていただいき、今後手術をさせていただく患者さんをより多く救命しお役にたてるように精進してまいります。