2015.12.28 | International
ニューヨークであった米国胸部外科学会主催のCoronary Congressに参加してきました。冠動脈バイパス術(CABG)のみの学術講演会であり、世界からそのエキスパートが集まって、多くの議論を交わしました。一時はカテーテル治療によりCABGそのものの治療が衰退するのではと思われましたが、多くのエビデンスとそれによるガイドラインにより最近はCABGの手術数も少しずつ増えてきています。術式に関してはオフポンプかオンポンプかの議論、動脈グラフトか静脈グラフトかの議論がありました。外科サイドでの学術会議であり我田引水的な議論も見受けられました。日本では年間100例以上のCABGを行っている施設から10例程度の施設と偏りがありCABGの成績を議論するのも無理があると思われました。
冠動脈バイパス術は、シンプルでありながら手術をすればするほど奥が深く、これほど経験と精神力の必要な手術はありません。これからもさらに研鑽してまいります。(8月21日~23日)