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2014.09.11 | Operation 

冠動脈バイパス術

2000例を超えるバイパス手術の経験

 

1998年開設以来私が関係した冠動脈バイパス術は2000例を超えました(弁膜症等の合併手術を含む)。

最近の10年間での単独冠動脈バイパス術は1097例です。緊急手術での死亡率は8%、予定手術での死亡率は1%でした。多くの経験からさらに安全かつ確実な冠動脈バイパス手術に臨みます。

 

CABG

心 臓に栄養を与える冠動脈が狭窄或いは閉塞を来たし、それにより心筋梗塞、狭心症をおこします。程度の軽いもの或いは病変の形態によりカテーテルで 狭窄部を膨らましたり、ステントで膨らましたままにすることも可能ですが、程度の強いもの、カテーテルでは困難なもの、何度も再発するもの、緊急性のもの は手術が必要です。
手術は病変部位より末梢の正常の冠動脈にバイパス手術を行います。バイパスは、内胸動脈、上腕の動脈(橈骨動脈)、下肢の静脈(大伏在静脈)を利用します。

人工心肺装置を使用せず動いたままの心臓にバイパスする方法(オフポンプバイパス術)でほとんどの患者さんに(96%)おこなっています。この手術方法により、80歳以上の高齢者、重症合併症患者、緊急手術でも比較的安全に行えるようになりました。入院日数は合併症がない場合4日~10日(平均7日)程です。

バイパスする冠動脈が左冠動脈に限局している場合は右肋間皮膚小切開によるバイパス手術(MICSーCABG)を行っています。

 

 

セクエンシャルバイパス法:静脈斜切開平行四辺形吻合(oblique venotomy with rhomboid anastomosis)による新しいセクエンシャルバイパス術

静 脈バイパスグラフトの質を高めるためにセクエンシャルバイパスは採取静脈の節約、大動脈吻合数の節約のみならず、高流量を得られることによる静脈抵抗の低 下が期待でき開存率も良好です。吻合法に関しては、従来よりダイアモンド吻合と平行吻合があります。この2方法の長所を生かした中間的な吻合法(平行四辺 形吻合)を行い、大きな切開吻合口と歪みのないグラフト走行を得られ、高流量が得られます。バイパスしたグラフトが良く流れ長持ちする方法です。当院では 10年前からこの方法を採用しています。

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  静脈斜切開平行四辺形吻合(oblique venotomy with rhomboid anastomosis)

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1本の静脈グラフトで2か所以上の冠動脈にバイパスします。静脈グラフトも質のいいものを少なめに採取でき吻合数も少なく、小さな傷口で手術時間の短縮になります。

 

過去10年間の  静脈斜切開平行四辺形セクエンシャル吻合の成績

当 院で2005年1月から2014年3月までに経験した冠動脈バイパス術1129例の内3枝バイパス以上が659例でありそのうちセクエンシャル吻合を行っ たのは243例でした。年齢は69.4±9.4 歳(38~89歳)で、男183例、女60例で、緊急症例は52例(21.3%)であった。単独CABGは220例でそのうちオフポンプバイパスは 204(93%)であった。平均手術時間は3枝:3h34m(2h20-6h25m)、4枝:4h09m(3h11-5:56m)、5 枝:4h42m(3h50-5h25m)であった。セクエンシャルグラフトの早期開存率は98%でした。

心臓血管外科手術についてに更新しました。

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