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2006.02.19 | Consultaion 

解離性大動脈瘤

相談:

母が2週間程前に急に苦しみ出して救急車で病院に運ばれました。解離性大動脈瘤と診断され入院中です。A型との診断でした。
現在は見かけは普通です。手術はしてません。先週のCTの結果、心臓近くの解離してる部分が固まり出して来たので今は血圧の薬だけ飲んでいるようです。

大動脈は自己修復?!再生?!するものなのですか?
再生しないとすると手術をしなくても大丈夫なものなのでしょうか?

 

 

回答:
A型であれば、基本的には手術が必要です。
手術が必要な理由として
心臓の近くの大動脈の内膜が裂けており、薄くなっており破裂して心臓が圧迫される危険性があり、あっという間に命が奪われる危険性があるからです。
結局お母様の場合、破裂はせず、手術をせずに様子を見ていると思われます。
手術にもそれなりの危険性があるので、手術せずに様子を見ると言うのも、悪くはありませんが、いったん破裂すると命に関わることがあります。
また裂けた血管は次第に固くなって破裂する危険性が少なくなることも事実です。
また裂けたところが血栓で閉鎖することもあり、ほぼもとどおりにもどることもまれですがあります。
しかし、大動脈がおおきく膨れてくることもあり、そうなるとやはり破裂する危険性があります。
2週間もたっているので、破裂の危険性は低く、慢性期になりつつあります。
その場合、大動脈のふくらみ、裂けているところがふさがっているかどうかによって手術するかどうかが決まります。
大動脈がまったく元に自己修復、再生することはありませんが、裂けた薄く弱い血管が厚く硬くなり多少は破裂されにくくなることは事実ですが、それでも正常の血管よりは弱くなり、CTなどで経過観察が必要です。
少ない病気で、治療成績も不安定ですので、病院、医師により多少治療方針が違います。

 

大動脈解離(解離性大動脈瘤)

 

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