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2006.07.01 | Operation 

急性肺梗塞

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突然の胸の痛みから呼吸困難そしてショック状態となり心停止といたる恐ろしい病気です。救命処置と同時に人工心肺装置を装着しなければなりません。カテーテルでの診断に加え、カテーテルでの血栓除去を試みますが、大きな血栓の場合緊急手術となります。肺動脈を切開すると大きなソーセージほどの血栓がとれました。大きな血栓を除去し、その後血圧は正常となり、呼吸状態も安定しました。低血圧のショック状態が続いたため術後脳障害も心配されましたが、意識もしっかりして問題なく順調に経過しています。

 

肺梗塞

肺の血管内(肺動脈)に血栓が詰まり肺の血流が低下し呼吸困難、チアノーゼそして最悪の場合死にいたる恐ろしい病気です。詰まった塞栓の量、急に詰まるかゆっくり詰まるかで、症状から治療法までさまざまな病態を示す病気です。例えばほとんど症状なくゆっくり進行する慢性肺梗塞から、突然死にいたる急性肺梗塞まで症状の程度は幅広いです。
下肢の静脈の血液が固まり血栓となりそれが飛んで下大静脈、右房、右室そして肺動脈にたどり着きそこで詰ります。静脈内の血液も本来固まることがありませんが、なんらかの原因で固まり、それが飛んで肺動脈までたどりつくのです。

 

 

原因

じっと足を動かさない、足を曲げたままでじっとする、これはエコノミー症候群とも言われ航空機の座席でじっと座り続け足の静脈内の血液の流れが悪くなり、血液が固まることにより起こるものです。同じように長期運転、病気怪我による長期寝たきりなどでも起こる危険性があると言われています。
また、血液の病気、悪性腫瘍、手術後のように、血栓ができやすい状態でも静脈に血栓ができやすくなり肺梗塞になる場合もあります。高血圧、高脂血症、高齢、たばこもなりやすいと言われています。
診断は、超音波検査、CTで可能です。
治療は程度によりますが、血液が固まらないように予防する薬物療法(ヘパリン、ワーファリン)、カテーテルでの血栓溶解、そして手術で直接摘出する方法です。慢性と急性では治療方法に多少違いがあります。
まずは予防が大事です。充分水分を取り、長時間じっとせずによく運動をしましょう。足が急に腫れてきたり痛みがくるようなら下肢静脈に血栓ができている可能性がありますので、近くの医師にご相談ください。

 

 

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