2024.12.17 | Topics
インドネシアの「ハラパンキタ・徳洲会循環器病センター」開設に向けて、国立ハラパンキタ循環器病センターとの交流を進める為、当院から心臓血管外科総長、大橋壯樹・徳洲会副理事長、4東病棟看護師・福田優美をはじめとした徳洲会一行15名が11月16日~20日に同国を訪れ、インドネシア国際心臓血管サミットに参加、さらに国立ハラパンキタ循環器病センターの見学などを行い、研鑽した。
インドネシアを訪れたのは大橋・副理事長に加え、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の齋藤滋・心臓センター長、千葉西総合病院の中村喜次・副院長兼心臓血管外科部長など医師10人(心臓血管外科5人、循環器内科5人)、看護師4人、事務職員1人の計15人。
一行は16日から2日間、インドネシア国際心臓血管サミットに出席。同サミットは、国立ハラパンキタ循環器病センターが主催する同国最大規模の知見共有イベントのひとつで、同国内やその周辺地域から会場に約700人、オンラインで500人が参加した。
徳洲会から、齋藤センター長は「慢性完全閉塞病変(CTO)に対する冠動脈インターベンション(PCI)」をテーマに講演。PCIの歴史に触れたうえで、慢性的に冠動脈が閉塞している状態での再開通の難しさや、成功率拡大への技術の進歩などについて解説、「CTOに対するPCIの成功率はまだ完璧ではありません。ハラパンキタ循環器病センターのように多数の症例を抱えている病院で、これらの技術や器具の開発、経験の蓄積を図ることは、全世界の患者さんに対して有益で効率的と考えます」と強調した。
また、齋藤センター長は、自身が治験責任医師を務めた「バイオアダプターシステム」というステント(カテーテル治療で用いるメッシュ状の金属製の筒)を用いた、PCIのライブデモンストレーションも行った。
中村副院長は「ロボット支援下低侵襲僧帽弁手術」をテーマに講演。低侵襲性でありながら根治性を高める工夫や、技術が高度化しているなかで、どのように後進教育を進めているかなどについて解説した。また、日本で実施した同手術の動画も供覧した。
18日は国立ハラパンキタ循環器病センターで、職種毎に心臓血管外科手術や心臓カテーテル治療現場に立ち会い、看護現場を見学した。さらに保健省や病院幹部、現場責任者と今後の人事交流について具体的な方策を検討した。参加した循環器内科病棟看護師の福田さんから、「今後、ハラパンキタ病院との交流をすることで異文化交流から見えてくる日本看護の弱みや強化点を見出して行けたら、大きな学びになると感じた。」と。参加した若手医師や看護師からは「患者さんの命を預かり、個人に合わせたケアを行うことは、世界共通であることを認識した」、「自院でも外国人の患者さんも来るので、語学の勉強をしていきたいと強く感じる機会となった」など感想が聞かれた。
「ようやく本格的な交流が始まりました。見学や研修、カンファレンスへの参加などを積極的に行い、互いの病院がレベルアップしていけたら良いと思います。こうした活動をとおし、魅力ある徳洲会をつくっていきたい」と大橋総長が締めくくった。
▲インドネシア国際心臓血管サミットに参加 |
▲ハラパンキタ循環器病センター幹部らと記念撮影 |
▲若手医師が心臓手術や心臓カテーテル治療を見学 | ▲看護現場を見学 |
▲大橋副理事長がご挨拶 |