心臓血管外科手術について

経皮的僧帽弁形成術(MItraClip)

僧帽弁閉鎖不全症に対して、経皮的にカテーテルで形成を行う方法を行っています。

 

<当院における僧帽弁手術の経験>

 

僧帽弁手術総数 678件  
小切開低侵襲僧帽弁手術件数(MICS) 109件 (置換術38件、形成術71件)
ダヴィンチロボット補助下内視鏡手術 28件  
マイトラクリップ(経皮的僧帽弁クリップ術) 3件 (令和4年5月より開始)

僧帽弁治療に対する豊富な経験をもとに更に低侵襲で安全な治療を行います。

 

 

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  ハートチームでの治療の模様 血行動態、透視、超音波検査でのモニター
     
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  MitraClip挿入 超音波での確認

 

経皮的僧帽弁形成術(MitraClip)はカテーテルでの弁の修復術で、2003年に世界で初めて行われ、日本でも2018年4月に保険診療となりました。当院でも認定施設となりました。TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)とともに、弁膜症に対する傷口のないカテーテル治療を行っています。
僧帽弁は2つの弁からなり、MitraClipでは両方の弁を同時にクリップでつまんで、僧帽弁の逆流を少なくします。全身麻酔下で経食道心臓超音波検査とレントゲン透視でカテーテルの操作を行ない、大腿静脈から右房、左房に到達し僧帽弁の2弁をクリップでつまむ方法です。

 

Patient Full System CDS-Glamour-2015white_加工 Catheter 120 GripDn 2015white
右大腿静脈よりカテーテルを挿入 カテーテルの先端にクリップ クリップ
     
        Grasping MV with System Implant-Ventricular-Diastole
僧帽弁に到達 クリップでつまむ 出来上がり
     
     
     

 

 

 

 

正中切開外科手術

低侵襲心臓手術

経皮的僧帽弁形成術

 

従来の心臓手術

 

右肋間小切開手術(MICS)、

ダヴィンチロボット手術

(MItraClip)

方法 胸を10cm切開し人工心肺装置にて体外循環心停止をさせて硬くなった大動脈弁を切除し手縫いで人工弁を留置する 右肋間小開胸で人工心肺装置にて体外循環心停止をさせて弁を修復するか置換する 大腿の静脈からカテーテルを挿入して、右房から左房に達し僧帽弁の二つの弁をくっつける
時間 2時間~3時間(当院) 3~4時間 3~4時間
術後 人工呼吸でICUにで数日管理して各種の管で管理 人工呼吸でICUにで数日管理して各種の管で管理 数時間後には食事、歩行も可能
入院 10日~14日 7日~10日
5~7日
合併症 脳梗塞、出血、創感染 脳梗塞、出血、創感染 出血、逆流の遺残
利点

他の合併手術が可能

確実な修復

呼吸器合併症等にも安全に可能

傷口が小さい

確実な修復

傷口がほとんどない
欠点

侵襲が大きい

傷口が大きい

心臓、呼吸への影響がある 確実性に欠ける、逆流が残ることがある
適応 誰でも可能

ほとんどの患者さんで可能

できない施設が多い(当院は可能)

僧帽弁そのものは異常がないが逆流のあるもの
不適応 手術が不可能なほどの超高齢者、体力元気のない患者 他の心臓疾患も手術しないといけない場合

逸脱による僧帽弁閉鎖不全症

感染性心内膜炎

確実に弁の逆流を止めたい場合