当院では保険でのダヴィンチ手術を行っています。
胸骨を縦割りせず肋間の小切開で行うMICS心臓手術は、細長いピンセットと鋏などで小さな傷口から心臓の悪いところを修復します。しかし複雑で細やかな技術を要する手術には困難な場合があります。ダビンチ ロボットでは3D画像で目の前に6倍近い病変を見ながら、自分の手以上の動きのできる細長いアームでの手術が可能となります。さらに、自分の手の動きをさらに細やかに伝え、手振れも防ぐことができます。この機械であれば米粒にもきれいな文字が書けます。すなわち、小さな傷口でさらに細やかで精度の高い手術が可能となります。
当院では2011年にダヴィンチ ロボットを導入し、主に前立腺手術(小切開内視鏡ロボット手術)を行ってまいりました。心臓手術に関しては2006年(10年前)よりアメリカでのロボット手術の見学、研修を行い、その後MICS手術を行いながらロボットの研修、訓練を何度となく行ってまいりました。今回ロボット手術施設としての認定され、ダヴィンチ ロボット 心臓手術が可能となりました。
コンソール:術者が操作する | アーム:コンソールの指令でアームが動く |
コンソールからの指令でアームが細かく動く | 患者さんの体内へ清潔なアームが挿入され動く |
3Dカメラ:実際に目の前にあるように見える | アーム:自由自在に動きいろいろなタイプがある |
僧帽弁形成術の実際(アームのみが体内へ) | 心房中隔欠損症手術の実際(アームのみが体内へ) |
ロボットでの内胸動脈グラフト採取の実際 |
従来の胸骨正中切開 | MICS手術 | ロボット手術 | ロボットバイパス手術 |
僧帽弁形成術
通常の僧帽弁手術 | ダヴィンチロボットでの僧帽弁手術 |
僧帽弁は心臓の裏側に位置しており、通常の正中切開の手術では心臓弁のある左房を裏返しして見ながら手術をしなければならないし、弁の観察、修復が困難な場合があります。
ダヴィンチロボットでは内視鏡が真正面にしかも10倍の倍率で見えて、ロボットの鉗子も真正面から動かせることができ弁の観察、修復が容易になります。人間の手の3倍ほどの繊細な動きで手振れ防止機能もあり、より正確で繊細な修復が可能となります。
心房中隔欠損症手術
冠動脈バイパス術
*術前状態、体型、病変の程度によってはダヴィンチロボット手術が不可能な場合もあります。