心臓の病気である不整脈の1つに心房細動という病気があります。心臓の上の部屋(心房)が細かく震えることで起こる不整脈の1つです。
この病気によって、心房内の血液が滞留し、特に左心耳という部位に血の塊(血栓)が形成されやすくなります。
その血栓が左心耳から剥がれ、動脈を通って脳に達し、脳の血管に詰まってしまうと、脳梗塞を引き起こします。
血栓が左心耳から動脈を通って脳に | 脳の血管に詰まり脳梗塞を引き起こす |
心原性の脳梗塞
心房細動の患者さんは心房細動のない人と比べて、何倍も脳梗塞をを発症しやすいことがわかっています。
さらに、心房細動を発症した患者さんの約3分の1は将来的に脳梗塞を発症することが知られています。心房細動を原因とする脳卒中は、死亡に至ったり重篤な麻痺などの機能障害を引き起こしたりする可能性が高いことが報告されています。また、非弁膜症性の心房細動では、心臓が原因で発症する脳卒中を生じさせる血栓の90%以上が左心耳から発生することがわかっています。そのため、心房細動を発症した患者さんは脳卒中や血栓による合併症を予防する必要があります。