最新3D経食道心エコー装置導入
3DTEEについて
当院では最新の3次元経食道心エコー装置が導入されました。
新しい3D経食道心エコーではプローブに3000の素子が格子状に配列され、さらに、従来のクリスタルよりも精度の高いクリスタルを使用することで、ノイズの少ない鮮明な画像が得られることになりました。また、それらの素子から得られる、莫大な画像情報を高速で処理する装置の進歩もこれを助けております。
本邦では、昨年の秋にはじめてTEE用プローブが市販開始となったばかりですが、欧米では、すでにその使用が始められております。体表からのプローブに比べて、経食道プローブでは肋骨や肺が邪魔になることが少ない分、解像度のよい画像が簡単に得られるという特徴があります。
3Dの特徴
従来の2Dのエコーに比べて、3Dの優れている点
1.3次元で心臓全体をとらえることができるで、これまでの2次元画像のように見ている断面の違いにより評価が異なるということも少なく、エコーの施行者の技量にあまり頼ることなく、より正確な評価が可能となる。
2.心室の動きを3次元的にとらえて、ボリューム変化を計測することができる。
3.それぞれの心室壁をセグメントに分けて、その部位のボリューム変化を解析することで、局所壁運動低下や、収縮運動の同期の程度も客観的にとらえることができる。
4.従来は難しかった右室容量の計測もかなり正確にできるようになった。
5.弁の動きを立体で見たい方向(弁の真上や真下)から動いている状態でみることができるので、逸脱の部位、逆流の部位など、一目瞭然である。
6.弁の立体構造を解析するソフトも同梱されており、立体構造の解析が容易になった。
7.ASDやVSDなども中隔壁全体を一望できる面で見ることができるので、欠損口の形、大きさまでよくわかる。 などの利点があるようです。
今後の研究により、さらに、いろいろな利用法が見いだされてくることと思います。