気管支内視鏡検査
気管支内視鏡検査の概要
気管・気管支・肺に異常が疑われ、原因検索のために病変部を観察したり、病変部の組織を採取したりするために行う内視鏡検査です。呼吸器内科では主に水曜日と金曜日の午後に行っています。空気の通り道に器具が入るため、苦しい検査とされていますが、当院では鎮痛薬と鎮静薬を併用し、苦痛の軽減に努めています。実際に気管支内視鏡検査を受けられた患者さんの多くは、「知らないうちに検査が終わっていた」と述べられます。
しかし、組織採取に伴う出血、肺損傷に伴う気胸などの合併症が起こることがあります。合併症の有無を注意深く観察するために、原則一泊の入院で検査を行っています(検査そのものの所要時間は約60分間です)。
①細径気管支内視鏡の使用
1本の気管は左右の気管支に分かれ、その後も分岐を繰り返すごとに細くなり、呼吸をつかさどる肺胞に至ります。通常の気管支内視鏡は太さ5㎜程度であり、亜区域気管支レベルまでの観察が限界です。当院では太さ3㎜程度の細径気管支内視鏡(図1)を併用することで、より末梢の病変まで観察することを可能としています。
②CT画像の詳細な分析
当院では検査前に施行したCT画像を詳細に分析し、仮想気管支内視鏡(図2)を作成することで、病変部に至る気管支がどのように枝分かれしているかを綿密に検討しています。
治療としての気管支内視鏡
治療目的で気管支内視鏡を行うこともあります。気管や中枢の気管支に病変がある場合は、肺でのガス交換が十分に行えないため、生命に関わる問題となります
当院ではそのような病変に対して、電気焼灼により病変部を縮小させたり、金属製の管(ステント)を留置することで狭くなった病変部を広げたりする処置を気管支内視鏡下で行っています。
検査実績
呼吸器内科では、2017年は49件、2018年は70件の気管支内視鏡検査を行いました。2019年は6月末までに44件施行しており、徐々に件数は増えてきています。2017年1月から2019年6月末までに呼吸器内科で施行した気管支内視鏡検査において、合併症のために入院期間の延長を要した症例は一例もありませんでした。安心して検査を受けていただければ幸いです。