CTガイド下生検
ご挨拶
当院は日本呼吸器学会専門医制度関連施設(新専門医制度では連携施設)、日本感染症学会認定研修施設となっています。当科で行う特徴的な検査としては、気管支内視鏡検査、局所麻酔下胸腔鏡検査、CTガイド下生検があります。今回はCTガイド下生検について紹介します。
気管支内視鏡検査・局所麻酔下胸腔鏡検査 についてはQRコードからご覧ください。 |
CTガイド下生検の概要
気管支内視鏡では到達することが困難な肺の末梢病変、肺表面を覆う胸膜の病変の組織採取を目的として行います。放射線科のCT室で行い、施行時間は約45分間です
CTガイド下生検の手技
①病変が前側にある場合は仰向けに、背中側にある場合はうつ伏せになっていただきます。
②CTを撮影し、針を刺す部位を確認します。
③局所麻酔を行い、留置用の針(外套針)を挿入し、正しい位置に留置されていることをCTで確認します。
④病変部に到達したことをCTで確認し、外套針内に組織採取用の針を挿入し、複数回組織を採取します。
⑤組織採取後にCTを撮影し、合併症がないことを確認して、手技を終了します。
合併症
合併症としては、気胸(肺が破れて空気漏れすること)が約30%で見られますが、漏れた空気を抜くための追加治療を要するものは5%程度です。その他に血痰、出血、ごくまれに空気塞栓(血管内に空気が入り、脳梗塞や心筋梗塞を生じること)を認めることがあります。合併症の有無を確認するために、原則として1泊の入院で検査を施行しています。
検査実績
当科では2020年には5件、2021年には8件、2022年には3件のCTガイド下生検を行いました。いずれにおいても、大きな合併症は認めていません。
おわりに
咳や痰が続く、息切れがする、健康診断で胸に影があると言われたりしましたら、当科にご相談ください。身体診察、画像検査、呼吸機能検査、血液検査などを組み合わせて疾患を絞り、組織の採取が必要な場合はどのアプローチが適切かについて詳細にご説明し、安心して受けられる医療を提供します。
かすたねっと2023年3月号より