局所麻酔下胸腔鏡
概要
胸水が溜まる原因を調べるために、胸腔内に内視鏡を入れて(下図参照)、病変の観察と病変部の組織採取を行う検査です。胸水の一部を採取して原因を調べる胸水穿刺検査での診断率は約60%とされていますが、局所麻酔下胸腔鏡検査では約90%の症例で胸水の原因が判明すると報告されています(Journal of Thoracic Disease 2014: 6; 438-443)。全身麻酔ではなく、内視鏡を挿入する部分だけの局所麻酔にて行います。
方法
超音波装置にて内視鏡を入れる部位を確認します。皮膚を消毒し、皮下に麻酔薬を注射し、メスで切開します(切開創の大きさは1 0 mm程度です)。ポート(内視鏡を挿入するためのトンネル)を置き、その後滅菌した内視鏡を入れます。内部を観察し、病変を認めた場合には組織採取を行います。検査時間は約60分間です。
実際の所見
局所麻酔下胸腔鏡による治療
胸の中に膿みがたまる膿胸(のうきょう)では、局所麻酔下胸腔鏡によって胸の中を洗浄し、膿みを溶かす薬剤を注入して治療を行うことがあります。
検査実績
2018年度は5件、2019年度は7件の局所麻酔下胸腔鏡を行いました。主に水曜日または金曜日の午後に、呼吸器内科にて行います。検査前に十分な説明をいたしますので、安心して受診してください。