未破裂脳動脈瘤
未破裂脳動脈瘤とは
未破裂脳動脈瘤とは、脳動脈の壁にこぶのように膨らんだ部分があり、見つかった時点では、出血(破裂)の徴候がない状態のことです。頭部MRI検査を行うと、日本人では20人に1人の割合で見つかると言われ、決して稀なものではありません。また、脳動脈瘤があっても未破裂なので、通常は無症状です。但し、破裂すると、くも膜下出血を
起こすリスクをはらんでいます。
破裂率について
未破裂脳動脈瘤が破裂する確率は、既往症、生活習慣、動脈瘤の大きさ、部位、形状によって左右されるといわれています。以下は、破裂のリスクがあるとされる代表的な項目です。
治療方法
未破裂脳動脈瘤への対応は①経過観察、②開頭術(脳動脈瘤クリッピング術)、③血管内手術(脳動脈瘤コイル塞栓術)の3つがあります。
①経過観察
動脈瘤が小さい場合は経過観察が可能です。半年から1年の間隔でMRAを撮影して動脈瘤に変化が無いかを観察します。
②開頭術(脳動脈瘤クリッピング術)
最も確実な脳動脈瘤の出血予防方法です。顕微鏡手術により脳動脈瘤の根元に クリップをかけて、脳動脈瘤への血流を遮断する手術です。ただし治療に要する入院期間も長く、2週間程かかります。
③血管内手術(脳動脈瘤コイル塞栓術)
カテーテルを、レントゲンを見ながら脳動脈瘤内に誘導して、脳動脈瘤の内部 にコイルを送り込むことで、脳動脈瘤内の血流を遮断する方法です。入院期間は短くて済みますが、複数回の手術が必要になる場合もあります。
当科では、脳動脈瘤のクリッピング手術のギネス記録保持者、佐野公俊先生と一緒に手術をしています!