しもやけとやけど
しもやけとやけどの原因と治療
しもやけは、冷たい空気・水・雪等に触れたりすることにより起こります。やけどは、高温にさらされたことにより発生します。原因は真逆ですが、人体に生じる変化は非常に似ています。赤くなり腫れてきて、ひどいときは水膨れや傷を作ります。しもやけは痒み、やけどは痛みを感じます。
普通は、手足が冷たくなってしまったら暖めようとしますが、この時の暖め方でしもやけが悪化することがあります。冷えた手足を暖房器具や温水で暖めるのは昔から行われていますが生活様式の変化からファンヒーター等が暖房の主体となり高温の排気がすぐに出てくるようになったのが従来とは違っています。昔はストーブや火鉢で暖を取ることから急激に皮膚の温度が上昇するほどの効果は得られていませんでした。このため、しもやけがひどくなる原因は、冷たさと冷たかった時間次第でした。
しかし暖房器具の進化によって、非常に急速に暖めることができるようになったため、低温から高温の激しい変化によって血流が急変し、これにより人体組織がダメージを受けるといったことが起こるようになりました(便利になったが故の問題とも言えます)あまりに急激に皮膚の温度を上げると血流の変化が激しすぎて細胞を損傷します。このため、しもやけが悪化することとなります。この対応は熱源から少し離れてゆっくりと暖めることで解決できます。
それでも腫れたりした場合は外用薬(ビタミンEの軟膏であるユベラ軟膏)を塗布することになります。水膨れや傷ができたり壊死するような非常に重度のしもやけの場合は血流改善薬の内服、点滴も行われます。特に糖尿病、高コレステロール血症があり血管が狭くなっていると診断されている方は病気のない方に比べて最初から重傷であったり増悪しやすいため、なるべく早く病院を受診し治療を受ける方がよいと考えます。こういった方々は赤く変色した時点で受診してください。
一方やけどは、お湯をかけてしまい受傷することが非常に多くなります。また暖房器具に触れたりすることも多いです。布団に電気アンカ、カイロ、湯たんぽを入れることも多いかと思われますが、入れたまま眠ってしまいこれらに触れ続けた結果、目が覚めたらやけどになっていたということもしばしばあります。これらは低温やけどと言われ通常、深いやけどを作り、治るまでに長い時間がかかり傷跡を残してしまいます。必ず何かタオルのようなもので包んで使用し直接触れないようにするか、眠る前に布団から出すようにしてください。
まとめ
しもやけ・やけどは、共にちょっとした注意をすることで予防と悪化を避けることができます。これからの季節、心にとどめておいていただければ幸いに思います。