リハビリテーション科
当科の特色
当院リハビリテーション科では急性期の理学療法、作業療法、言語聴覚療法を行っています。私たちは、リハビリテーションの力で患者と共にその人らしい生き方を創造できるような療法士を目指してします。
また当院は急性期の総合病院であり、スタッフそれぞれが様々な疾患に対応できるよう日々研鑽を重ねています。
●理学療法(Physical Therapy:PT)
理学療法とは、生活の基盤となる基本動作(起き上がり、立ち上がる、座る、立つ、歩く)能力の再獲得や維持、能力向上を図り家庭や社会復帰を目指します。具体的には、動作の問題点に対して関節可動域(ROM)の拡大、運動麻痺の回復、筋力強化、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける運動療法や物理療法などの治療を行いながら日常生活の自立を目指します。
当院の理学療法は、急性期の時期であり、発症・受傷または術後翌日(医師の判断で変更となる場合も)から早期にリハビリを開始します。早期からリハビリ介入を行うことで廃用症候群や合併症の予防を行います。また当院の理学療法士は、3チームに分かれ日々専門性の高い理学療法を患者一人ひとりに提供しています。
![]() |
●作業療法(Occupational Therapy:OT)
作業療法とは、患者の健康と幸福を促進するために、作業に焦点を当てた治療、指導、援助を行い患者のQOL(生活の質)の向上を目指します。この「作業」とは、日常生活動作(起き上がり・トイレ・食事・入浴動作など)や仕事、趣味といった活動を指しています。
当院の作業療法では、発症や術後早期から様々なリスクに注意しながら合併症を予防するために早期より離床を開始し、同時に日常生活動作訓練を行っています。そのため、当院訓練室には入浴や調理、洗濯、床上動作などが練習できる環境が整っており、実際の住宅環境を想定した練習が可能です。
入院患者と外来患者ともに担当し、主な診療科として外来患者では、整形外科・脳神経外科を担当し、入院患者では整形外科、脳神経外科、内科、外科、循環器内科、心臓血管外科など多様な疾患を担当しています。
![]() |
●言語聴覚(Speech-language-hearing-Therapy:ST)
言語聴覚療法とは、言葉を話す・聞く・読む・書く事や声・発音等の障害によりコミュニケーションに困難を抱える人、食べ物を噛む・飲む等の食べることに困難を抱える人に対し、機能改善や維持・指導を行う専門職です。
当院の言語聴覚療法では、主に言語機能障害(失語症・構音障害)・高次脳機能障害(注意機能障害・記憶障害・失行等)・摂食嚥下障害の患者のリハビリテーションを行っています。
特に当院では摂食嚥下障害のリハビリ依頼が多く、様々な疾患の患者を担当し、検査や評価、訓練、食事指導等の援助を行っています。必要に応じて医師と共に嚥下能力評価のため嚥下内視鏡検査(VE)にも取り組んでいます。
また、様々な理由により十分な食事がとれない患者に対しては、NST(栄養サポートチーム)にて医師・看護師・栄養士・薬剤師・歯科衛生士等の他職種と共に患者の栄養状態の改善を図ります。その他には、歯科衛生士と協力し口腔ケアを行い、口腔顔面運動機能の維持や誤嚥性肺炎防止に努めています。
![]() |
チーム紹介
リハビリ室紹介
機能訓練スペース
![]() |
機能訓練スペースには、身体機能の改善や維持を目的とした各種設備が整っています。具体的には平行棒や階段、ベッド(13台)などが設置されています。これらの設備を活用することで、患者様は日常生活での動作の再学習や、筋力やバランス能力向上を目指します。
心臓リハビリテーション室
![]() |
当施設の心臓リハビリテーション室では、身体機能の回復やQOL向上を目指すための専用の設備とプログラムを提供しています。具体的には、エルゴメーターや空圧式筋力トレーニングマシンなどが設置されています。また、心疾患の患者様が安全にリハビリに取り組めるように心電図モニターや救命道具を常備しています。
日常生活動作(ADL)訓練スペース
![]() |
入浴動作・床上動作・台所動作など日常生活に近い環境でリハビリテーションが行える設備が整っており、患者一人ひとりの生活環境に合ったリハビリテーションが可能です。
言語聴覚療法室(ST室)
![]() |
言語聴覚療法室は、言語機能障害や高次脳機能障害に関する機能回復を目的とした場所です。個室が3つあり、集中したリハビリが行える環境が整っています。
部屋にはSLTAやCAT-R、SDSA、BADS、BIT、RBMTなど、その他様々な検査道具を取り揃えています。
また、訓練教材に関しても絵カードや注意機能課題など多くの高次脳機能課題があります。患者さんにより良い検査や訓練が行えるように、新しい高次脳機能検査や訓練課題を順次更新しています。
スタッフ数・各種認定・所属学会
●スタッフ数 | 43名 理学療法士26名、作業療法士9名、言語聴覚士7名、リハ助手1名 |
●資格 |
|
●所属学会 |
|
学会発表
年 | 学会 | 題目 | 療法 |
2015 | 第15回東海北陸作業療法学会 | 大腿骨近位部骨折術後の経時的変化について | OT |
2016 | 第24回愛知県作業療法学会 | 認知機能が低下した症例がリハビリテーションに及ぼす影響について―大腿骨近位部骨折患者を通して- | OT |
2016 | 第50回日本作業療法学会 | 急性期病院における大腿骨近位部骨折術後の運動機能:ADLの経時的変化について | OT |
2016 | 第50回日本作業療法学会 | 軽度認知機能低下がリハビリテーションに及ぼす影響について-大腿骨近位部骨折患者を通して- | OT |
2016 | 第20回日本心不全学会学術集会 | 当院における心リハカンファレンス導入後の再入院患者数の変化 | PT |
2017 | 第23回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 | CRT-D植え込み後の重症心不全患者に対し神経筋電気刺激療法を安全に施行しLVADに繋がった一例 | PT |
2017 | 日本心臓リハビリテーション学会第3回東海支部地方会 | ステロイド療法と心臓リハビリテーションが著効した心臓サルコイドーシス患者の一例 | PT |
2017 | 第21回日本心不全学会学術集会 | 当院における心不全患者の外来心リハ移行とヘルスリテラシーとの関連性 | PT |
2018 | 日本心臓リハビリテーション学会第4回東海支部地方会 | 肺炎を契機に増悪したフレイルの強い重症心不全患者に対しPTとSTの共同介入により運動耐容能が改善した一例 | PT |
2018 | 第24回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 | 著明に運動耐容能が低下したTAVI術後患者に対し作業療法の介入により掃除動作が改善した一例 | OT |
2018 | 第52回日本作業療法学会 | 心疾患術後能呼応側と陳旧性心疾患の脳梗塞における発症時の症状の比較について | OT |
2019 | 第28回愛知県理学療法学術大会 | 胸部ステントグラフト内挿術後の脊髄梗塞による対麻痺患者に対するリハビリテーション介入の報告~在宅復帰を目指して~ | PT |
2019 | 第46回日本集中治療医学会学術集会 | ECPELLAで救命したCPA蘇生後の患者に対して早期リハビリ介入が有効であった一症例 | PT |
2019 | 第27回愛知県作業療法学会 | 開胸術後の運動耐容能低下に対してIADL訓練を実施し自宅退院に至った一例 | OT |
2019 | 第28回日本心血管インターベンション治療学会(COVIT2019) | 急性期病院における早期AT checkの有用性 | PT |
2019 | 第19回東海北陸作業療法学会 | 脳卒中片麻痺患者の手内筋に対する機能的電気刺激により食事動作の改善が得られた一例~手指装着型電極を用いて~ | OT |
2020 | 第26回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 | ステロイド療法の効果判定に心肺運動負荷試験(CPX)が有用であった心臓サルコイドーシス患者の一例 | PT |
2020 | 第26回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 | 当院心大血管疾患リハビリテーション患者の退院後の生活状況についての調査-作業療法の必要性の検討- | OT |
2020 | 第26回日本心臓リハビリテーション学会学術集会 | 心肺運動負荷試験で2:1伝導を生じた心房粗動にアブレーション施行後運動耐容能が改善したEbstein奇形の一例 | PT |
2020 | 第29回愛知県理学療法学術大会 | 左被殻出血術後ICUよりTilt Tableでの早期立位訓練を施行し意識障害改善が認められた一症例 | PT |
2020 | 第29回愛知県理学療法学術大会 | 棘上筋広範囲断裂に対し肩甲下筋腱部分移行術を施行した症例 | PT |
2020 | 第29回愛知県理学療法学術大会 | 周辺施設との過不足ない情報共有を目的としたリハビリテーション情報提供書内容の検討~春日井リハビリテーションネットワーク活動報告~ | PT |